ラ・ポルト・ルージュ 山口博史さん

laporterouge_1

岩国で子育てをしてみて気がついた魅力

岩国市役所前の通りに赤い扉が目を引く店がある。
山口博史さんと妻・育子さんによる洋菓子店「ラ・ポルト・ルージュ」である。
山口さんは岩国に生まれて、岩国で育った。
そして20代初めからパティシエを志してフランス、ルクセンブルク、ベルギーに渡り、本場の菓子作りを学ぶと、2010年この店を立ち上げた。

都会じゃなくて岩国で!?
腕に自信のある職人ほど、都会で勝負したいと思うはずなのに、山口さんは岩国を選んだ。
その理由は「昔から人と争うことが苦手だったから」という。
「もし東京の激戦区に店を出したとしたら、他の店に負けないようにって、毎日神経をすり減らしながら働くようになるでしょ」と苦笑い。
生まれ育った岩国なら、町の雰囲気もわかっている。
ここなら無理をせず、自分のペースでお菓子作りができると思ったとも。
そして、修行で培われた味やセンスを生かして、岩国にはないものを作りたいと思った。
ただ、いくら知っている町だといっても、困ることもある。そんな時はいつも誰かが助けてくれたと言う。
近くにいて助けてくれる家族や昔からの仲間の存在がありがたかった。

laporterouge_2

子育てをしながらお菓子作り
妻の育子さんも同じ菓子職人で、オープン当時から一緒に店に立っている。
店をオープンしてすぐに長女が生まれた。生まれたばかりの時はベビーベッドをそばに置き、お菓子作りをしていた。
大きくなると、店の中が遊び場になった。
「一度もお客様に怒られたことはないんですよ。皆さん優しいです」と、ほほ笑む育子さん。
今は2人の子供に恵まれ、休みには旅行好きの夫が計画を立て、家族で全国各地へ遊びに行く。
「岩国は新幹線の駅や空港も近くにあるから旅行に行きやすいですね」と笑う。
岩国で子育てをしてみて、これまで気が付かなった魅力に気が付いた。

laporterouge_3

賑わっていた頃の岩国を
山口さんが長く修業したフランスに『プリュムロー広場』というお気に入りの場所がある。
街の中心にある広場を飲食店が囲み、週末になるとお酒や食事を楽しむ人で賑わうという。
「そんな人が集まれる広場が岩国にも欲しいな」と山口さん。
店の近くにも雰囲気の似た、飲食店がたくさん並んでいる広い公園があり、そこを囲むように町が賑わうことを願っている。

laporterouge_4

「岩国にないものを作りたい!」。
その想いを胸に、生まれ育った岩国で「ラ・ポルト・ルージュ」をオープンした。
その想いはお菓子作りのこだわりになった。
そして今、お菓子作りを通して岩国の町の賑わい復活が夢となっている。

laporterouge_5
Patisserie La Porte Rouge
ラ・ポルト・ルージュ株式会社ラ・カルト・ブランシュ
岩国市今津町1-8-18
Tel & Fax/0827-23-5050
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜日