中小企業診断士(土井一海さん)


ぼくね、大阪で長いこと仕事をしてたんです。
家族のこともあって岩国へ帰ってきたんです。新天地で事務所を持つようになったのが8年前。
最初は色んなことに振り回されて、本当にしなくちゃいけない仕事は半分も出来てませんでしたよ(笑)

―そう軽快に話し出した土井さん。岩国地域中小企業支援コーディネーターでありながら、様々な境遇や想いをもって起業を志す人に日々傾聴と助言を続ける中小企業診断士でもある。

岩国には起業しようと熱意をもって頑張っている人がたくさんいます。また、そういった人たちを後押しする岩国市の支援制度も手厚いですしね。
ただ、5年・10年と経ってから、努力の末、創業した店や会社がどれだけ生き残っているか。創める相談を受けるのと同じくらいに、終う相談も多く受けるんですよ。

厳しいことを言うようだけど、生き残り勝ち上がっていくためには相当な覚悟と準備が必要なんです。
一度始めたら、もう逃げられない。目の前に現れたトラブルや障害にどう臨んで対処していくか、これが何といっても肝となるでしょうね。

―心地よい関西弁の響きとはうらはらに真剣な語り口。多くの成功と失敗を見てきた土井先生の言葉は核心をつく。

一生懸命に走っていると、壁や遮るものが出てくるわけです。その壁を乗り越える術を知っていたり、かわす知恵があればまた次へ進んでいけるでしょう。
“頑張る”のは当たり前、それに“賢さ”と“周到さ”を身につけてほしいんです。

チャレンジする人は全力で応援していきたいです。

―IT化をはじめ、経営環境は年々、多様化しています。そのなかで競争に勝ち残っていくためには、明確な経営戦略とそれを常にブラッシュアップさせていくことが必要と力強く語ってくださった土井さん。
土井さんのところへは、起業・開業後も相談に訪れるひとが多いそう。的確なアドバイスと実直な意見は、厳しい時節柄、精神的な支えになっているのでしょう。

インタビューを終えた直後、“またいつでも顔を出して”と、声を掛けてくださる。
厳しい中にも温かみのある土井さん。

今度、ぜひコーヒー持参で伺いたいと思います!